臨床心理士・公認心理師

心理療法・カウンセリング室 [セイル]

​所在地:福井県坂井市春江町藤鷲塚40-29

© 2018 by Psychological Consultation Room Sail

マインドフルネス
マインドフルネスとは

​ここ数年でマインドフルネスという言葉が世のなかに広く知られるようになりました。その起源は2600年前の仏陀時代に遡り、現代ではその宗教性は排除された形で、医療、福祉、教育、ビジネスなど広域な分野でその効果が実証されているようです。

マインドフルネスにも目的に応じていろいろな種類があり、定義もさまざまです。

(分かりづらいかもしれませんが)

「今・ここ」という瞬間、自分の中で起きていることに(特にネガティブ)囚われたり、良い悪いの判断や評価はせず、「今・ここ」に意識をしっかり向けている状態、をマインドフルネスな状態と言います。自覚、集中、覚醒、気づき…などの言葉でも表現されます。

心此処にあらずの❛逆❜の状態。

つまり、しっかりと「今。ここ」に自分がいる実感をもたらしてくれるものです。人の心はあちこちに彷徨いやすく、それが苦しみを生み出す一因になっていることが多いものですが、マインドフルネスはその心の癖を観察し、改善していく効果があります。

​「今・ここ」が大事

マインドフルネスでよく出てくる「今・ここ」という言葉。

なぜ、「今・ここ」を重視しているのでしょうか。

それは私たちは「今」というこの時に、そして「ここ」という場所でしか生きられないからです。

過去があって今がある、明日を生きていく自分もいる。このようにも言えますが、過去も未来も、心の中にしかありません。

昨日のことを思い出してみると、その時の情景が浮かんできます。一緒にいた人の表情、話した会話、まわりに置いてあった物などが心の中で再現されます。しかし目の前にはそれらはありません。自分の心の中にあるだけです。思い出されたものは過去のことですが、思い出しているのは「今・ここ」にいる自分です。

未来についても、計画を立てたり、予想したりできますが、それをしているのは「今・ここ」にいる自分です。

つまり、過去も未来も「今・ここ」で自分が考えていることの中に存在しているのです。私たちにあるのは「今・ここ」だけです。「今・ここ」をどのように生きていくかが大切なのです。

今、今、今の連続が人生を創っていきます。「今・ここ」の自分を大切にしてあげましょう。

マインドフルネスの基本技法

マインドフルネスの基本的な技法のひとつがマインドフルネス瞑想(もしくは呼吸法)です。

自然に発生する呼吸に能動的に注意を向けるトレーニングです。

「呼吸」はとても地味な刺激です。あえてその呼吸に注意を向けていきます。

  1. ​姿勢を正して、自分の呼吸を感じていきましょう。(自分の呼吸を意識する)

  2. しばらくやってみると、呼吸とは無関係の考えや思い出し(雑念)が浮かんでくるものです。❛こんなことして意味があるのかな❜ ❛うまくできない❜ など。

  3. このような雑念が出てきたら、ただそれに気づいて、そのままにして(考えに入り込まない、無理に抑えようとしない)、また呼吸に注意を戻します。

  4. しばらくの間、繰り返します。

時間が長くなればなるほど、いろいろな雑念が出ては消えていくのがわかります。

注意点としては、雑念に没頭してしまうと、呼吸も見失ってしまうので、雑念に気づいたら、何度も呼吸に戻るようにすることです。

雑念が出てくることはごく自然なことですから、心には「さまよいやすい」という性質があることも知ってください。

この練習をすることで、

  • 雑念(特にネガティブなものの場合)にとらわれてしまうことにブレーキをかけるスキル

  • 「今・ここ」で大切なこと(この場合は呼吸)に注意を向け続けるスキル

が向上していきます。

マインドフルネスの基本となる呼吸法です。

「今・ここ」に居続けることで、じっくり「今・ここ」を味わってみましょう。

日常がマインドフルネスの練習の場に

上記ではマインドフルネス呼吸法をご紹介しましたが、マインドフルネスエクササイズは様々なものがあります。

それらに概ね共通しているポイントをあげます。

1.注意を向けるものを決め、それに集中する

2.思考や思い出しなどは何度出てきても手放し、1に戻る

3.感情が出てきてもそのままにしておく

1の注意を向ける対象は何でもよいのです。歯磨き、顔を洗う、着替え、食事、シャワーなど、あげたらキリがありませんが、日常生活のどの行動でも練習材料になります。シンプルに一つの行動に集中していくのです。

2の思考や思い出しは、1とは関係のないような内容のもの、つまり雑念(つらい考えや嫌な過去の思い出しなど)は特に注意です。心の性質上、何か1つのものに集中しようとするとそれを邪魔するかのようにポンポン雑念が出てきます。注意が1の対象から逸れた、と気づいたらまた1の行動に引き戻してやりましょう。

雑念によって感情も出てくるものですが、それが怒りや不安、憂うつ、悲しみなどネガティブなものでも、楽しい、心地よいポジティブなものであっても、単なる感情に過ぎません。そのままにして、1を続けましょう。

「今日はこの行動をマインドフルにやってみよう!」と決めて練習していくといいと思います。

日頃から練習しておくと、大きなストレス事や大きな問題に遭遇するかもしれない場面でマインドフルな心の使い方が活きてきます。

これまでだと、思考や感情でいっぱいになってパニック状態、自分を見失って衝動的・感情的になってしまっていた場面でも、「今・ここ」の行動に自分を引き戻してやることで、冷静さを取り戻せるでしょう。