​ACT(アクセプタンス・コミットメントセラピー)について

​​ACT(アクトとよびます)は、行動療法の一種です。まだ日本ではあまり広くは知られておらず、初めて聞いたという方も多いと思います。ここではACTについて簡単にまとめました。

●ACTが目標とすること

にっちもさっちもいかない。どうしていいのか分からず、ネガティブの悪循環…​このような時の心はとても「固く」なっています。本来の心の働きが鈍くなり、生き方そのものも固くなりがちです。ACTでは、そのような固い心の在り方に『柔軟性を回復させていくこと」を目的としています。具体的には次の2点が目標です。

  1. 苦痛を伴う思考や気持ちを上手に扱えるようにして、それらが自分に与える影響を小さくすること

  2. その人にとって大切な価値(人生の方向性)を明らかにして、意欲的に行動できること

​これらを通して、有意義で豊かで充実した生き方ができるように導いていきます。

​●心の柔軟性に関する6つのポイント

心を柔らかく穏やかにするためにACTでは6つのポイントがあります。専門用語を少しわかりやすくして簡単にご紹介します。

  1. 今、この瞬間にしっかり自分をおくこと(過去や未来、グルグル思考やつらい感情に埋没して自分を見失わない。今、ここで生きている自分にやさしく注意を向けることです)

  2. 思考と上手に距離をとる(グルグルするネガティブな思考から一歩下がって見つめてみます。ネガティブと密着することをやめてみます)

  3. 心をひらく(つらい気持ちに圧倒されて苦しむというのはやめて、広く心を開いて、ひとまず心に置いておきます)

  4. 客観的な視点(自分の心で起きていることに気づいている、つまり客観的で冷静な自分ができてきます)

  5. 価値を確認する(心の奥底では、どうなりたいと望んでいるのか、どんな自分になりたいのか。自分の人生に対する価値や願いを整理します)

  6. 行動していく(生きたい方向性にそって行動します。問題や困難があっても、逃げずに、その時に大事なこと、必要なことをしていきます)

以上がACTのポイントになります。どのポイントに重きをおいて取り組むか、順番などは、各々によって異なりますし、いろいろな心の使い方のエクササイズもあります。ACTの取り組み方自体も、とても柔軟で、その人に合った方法とペースで取り組むことができます。

➀過去・未来に囚われない

​「今」を大切にする

​②思考と距離をとる

​③心を開いて、受け容れる場所をつくる

⑤人生の価値と方向性を明確化

⑥行動していく

④冷静に客観的に自分を観察する

●ACTとマインドフルネスの関係

​ACTはマインドフルネスと密接に関わっています。6つのポイントの中でいうと、「今」をしっかり意識することや、思考と距離をとること、苦痛を伴う気持ちや衝動に対して戦うことなくそのまま心に置いておくことなど、マインドフルネススキルは土台のようなものです。

●ACTは広く効果がある

ACTは広い範囲の心の問題に効果があることが認められています。

さまざまな心の症状(うつ、不安症、強迫性障害、対人恐怖症、境界性パーソナリティ障害など)、職場でのストレス、慢性的な痛みがある、肥満、その他、がん患者の心理的適応、依存症など。

まとめ

​ACTがどのような心理療法か。頭では理解できても、実際にやってみると腑に落ちると言いますか、体験して気づいていく心理療法です。症状の原因を追求したり、ネガティブ思考の根っこを洞察したり、過去を掘り下げたりなどはあまり重視しません。これまでとは異なる視点から自分の心との付き合い方を体得し、生きている「今」そして「これから」に目を向け、イキイキした生き方を後押しします。生活では喜ばしいこともある一方、苦痛を伴うことももちろんあり、それらをしっかり味わいながら、自分なりの人生を歩んでいく力をつける、そのような心理療法です。

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